長野県岡谷市湊と諏訪市豊田にまたがる中央自動車道・諏訪湖サービスエリアに接続する「諏訪湖スマートインターチェンジ(IC)」が27日、開通した。両市で式典が開かれ、諏訪湖に直接つながる新たな玄関口の誕生を盛大に祝った。
岡谷ICと諏訪ICのほぼ中間に位置する新スマートIC。両市と県、中日本高速道路の4者により2021年5月に着工し、岡谷側に下り専用、諏訪側に上り専用のETCゲートを設置。車長12メートル以下の全車種に対応したETC専用で一旦停止型。5年後の1日当たりの交通量を上下線合わせて3600(下り線2500)台と想定している。開通時点での総事業費は約97・4億円。
諏訪市の上り線アクセス道路ボックストンネル内で行った式典で、岡谷市の早出一真市長は「交通の利便性の向上や諏訪圏域の観光振興、産業発展に大きく寄与する。新たな流れとポテンシャルを生かし、魅力と活力あふれるまちづくりを推進する」、金子ゆかり諏訪市長が「力を合わせて実現したICの完成を本当にうれしく思う。昨年5月には諏訪湖周に16キロのサイクリングロードが完成し、にぎわう諏訪湖畔が実現している。高原湖畔都市づくりを目指す」と述べた。
諏訪湖を眼下にする眺望の良い岡谷市の下り線ETCゲート前で開通式があり、警察車両を先頭に乗用車や大型バスなど十数台が車列を連ねて通り初め。地元小学生の合唱やフラッグダンス、開通への思いを込めた書道の大作披露、消防音楽隊の演奏などが花を添えた。式典には260人が参加した。
残る事業は諏訪市有賀の県道(諏訪辰野線)に接続する県施工のアクセス道路先線約1キロ。現状は岡谷市湊の諏訪湖畔を走る県道(岡谷茅野線)との接続地点が唯一の出入り口で、観光シーズンなどには地域道路の渋滞が予想される。諏訪市側のアクセス道路先線が開通すれば車の分散につながると早期完成を望む声も上がる。【宮坂一則】
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