『日中外交秘録 垂秀夫駐中国大使の闘い』=垂秀夫・著、城山英巳 聞き手・構成

Date: Category:カルチャー Views:2 Comment:0

『日中外交秘録 垂(たるみ)秀夫駐中国大使の闘い』

 (文藝春秋・2750円)

 40年近く中国・台湾に関わり続けた日本の前駐中国大使が、中国や日中外交に関して踏み込んだ分析や秘話、将来展望を披露している。

 500ページを超える本書が読者を飽きさせないのは、著者がいかに人脈を構築して情報を取り、それを外交に反映させようとしたかというドラマが、日中間の多様な事件と重ね合わせて展開されているからだ。

 特に著者は若い頃から、中国共産党幹部の秘書や側近、親族などにつながる「裏のチャンネル」の人脈開拓に努めたという。そうした試みの一つに中国共産党の幹部養成機関・中央党校との交流事業がある。2000年から11年まで続いた事業は、戦略的に人脈を築き、共産党中枢に知日派を作る狙いだった。

Comments

I want to comment

◎Welcome to participate in the discussion, please express your views and exchange your opinions here.