2025年の夏、いかがお過ごしでしょうか。暑さ対策をしつつ、旅行や帰省の計画を立てている人も多いのでは?今回は全国各地の「地域トリビア」を厳選して紹介します(随時掲載)。家族や旧友、旅先の人たちとの話題にチェックしてみてください。ふるさとの意外な一面も見えてくるかもしれません。
実は緑豊か「横浜農場」
横浜市は港だけにあらず――。市街地から少し郊外へと足を向ければ、豊かな森や水田、畑が広がる美しい景観が残っている。農地と住宅地が混在した大都市であることも、横浜の魅力の一つだ。
データで見ても、市域の約6%は農地だ。市民に身近な場所で、野菜や果物、米をはじめとする多品目の農畜産物が生産されている。市は「横浜農場」というキャッチフレーズを掲げている。
市みどり環境局の澤田悦子農業振興課長によると、農地が多く残った要因の一つは、1970年代に市街化を抑制する区域を市全体の4分の1としたこと。東京都5%、川崎市12%、名古屋市7%など他の大都市と比べても割合が高く、緑地保全につながったのだという。
「浜なし」のブランドで知られる梨は有名だ。木の上で完熟させて、食べごろになると収穫されるという。市内で生産された大粒種を中心とした「浜ぶどう」も人気だ。浜なしも、浜ぶどうも、市場にほとんど出荷されず直売されている。このため、青果店やスーパーにはめったに出回らない。3月には浜なしなどを使った果実酒の製造をめぐり、市全域が「横浜ワイン特区」に認定された。
市内で最も生産されている野菜のうち、生産量トップはキャベツ。年間を通じて生産されるコマツナは、市内の生産量が全国の市町村で1位になったこともあるという。
市は、緑の保全に必要な安定的な財源を確保するため、2009年度から独自の「横浜みどり税」を導入している。
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