阪神―広島(29日・甲子園)
乗りに乗っているチームは、簡単に点を取っているように見えるものだ。1番打者から5番打者まで固定の阪神が、お手本のような流れで先制した。
一回、先頭打者の近本光司が三遊間に放った鈍い打球は内野手のグラブをはじいて左前へ転がり、出塁した。すると、状況に応じた打撃が求められる2番・中野拓夢がきっちり犠打を決めた。
その後、2死一、二塁となり、5番・大山悠輔が打席に入った。3ボール1ストライクから、広島の先発・床田寛樹の甘く入ったツーシームを見逃さなかった。強い打球が左前へ。二塁走者の近本が俊足を発揮して余裕を持って本塁を踏んだ。大山は「チャンスメークしてもらったので、ランナーを還すことができて良かった。まだ初回なので、次の打席も頑張る」と気を引き締めた。
試合前まで、セ・リーグは首位・阪神が2位の巨人に10ゲームの差を付け、独走。チーム防御率はリーグ唯一の1点台の1・95と驚異的な結果を残している。
野手も負けていない。打率は1位ながら2割4分6厘と他チームに比べて突出しているわけではない。それでも得点は315で、2番手・広島の271を大きく引き離していた。
1、2番でチャンスを作り、中軸が取れる時にきっちり点を取る。今の位置にいるチームらしい、形のある攻撃だった。【荻野公一】
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