「二択ではない」マックのポケカ騒動、食品ロス専門家が伝えたいこと

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マクドナルドの看板=千葉県船橋市で2019年4月23日、曽根田和久撮影 拡大
マクドナルドの看板=千葉県船橋市で2019年4月23日、曽根田和久撮影

 マクドナルドのハッピーセットをめぐるポケモンカードの転売騒動では、店頭などで食品の廃棄が相次いだ。景品のおもちゃ目当てに大量購入して食べ物を廃棄する問題は、これまでも繰り返されてきた。食品ロスに詳しい日本女子大の小林富雄教授は「食べるか捨てるかの二択ではない。企業側はもっと工夫できることがある」と指摘する。

 日本マクドナルドは今月8日、人気アニメ「ポケットモンスター」とコラボしたハッピーセットの販売を開始。9~11日にポケモンカードも配布したところ、転売目的の大量購入が発生した。交流サイト(SNS)上では、大量に廃棄されたとみられるハンバーガー入り紙袋の写真がアップされた。

日本女子大の小林富雄教授=本人提供 拡大
日本女子大の小林富雄教授=本人提供

 小林教授はおもちゃ付きのキャンペーン自体には賛成の立場だ。食べ物は栄養の観点から重要なだけではなく、食事を共にすることでコミュニケーションを豊かにする役割などがあると説明。「多くの人に食を楽しむチャンスがあり、その機会を積極的に活用するキャンペーン自体は良いことだ。食品ロスがあったからといって、やめてほしくない」と話す。

フリマアプリ「メルカリ」に出品された大量のハッピーセットのポケモンカード=スクリーンショットから 拡大
フリマアプリ「メルカリ」に出品された大量のハッピーセットのポケモンカード=スクリーンショットから

 その一方で、企業が食品ロス対策としてできることがあるという。例えば、食べきれない食べ物をフードバンクや子ども食堂に寄付できるような体制を整えることだ。ほかにも、食品券という仕組みを取り入れることを提案する。食べ物をその場で提供せず、代わりに食品券を渡すことで、後日食べ物と引き換えることができたり、その券を店頭のボードに貼って、食べ盛りの子どもたちに無償寄付できたりするという。

 また消費者側の意識についてはこう話す。「転売のための大量購入や従業員がいる前での大量廃棄はやめ、食べ物やその作り手に敬意を払うべきだ。解消するには企業努力だけでなく、消費者側の意識が最も大事になる」【阿部絢美】

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