人口減の日本、希望はアフリカ? 若者呼び込みに、「ルート」開拓中

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JICAのパイロット事業の一環として、日本の農家で就業体験するマダガスカル出身の若者たち=JICA提供
JICAのパイロット事業の一環として、日本の農家で就業体験するマダガスカル出身の若者たち=JICA提供

 人口減と人手不足が深刻化する日本で、外国人労働者の出身地は従来の東南アジアから、新たな地域へ広がり始めている。

 特に注目されるのが、2050年には世界人口の4人に1人を占めると予測されるアフリカ諸国だ。人口は急増しており、将来の可能性を秘めた若者が多い。

 日本側は働き手の確保を急ぎ、アフリカ側は人材育成や雇用機会に期待を寄せる。緒に就いたばかりの取り組みを追った。

農業分野で初のアフリカ人材

 「日本で働くのが夢だった。ここで農業技術を学んで、母国で役立てたい」

 アフリカ南東部の島国マダガスカル出身のフレディさん(29)の表情は明るい。

 24年9月、即戦力の人材と位置付けられる「特定技能」の在留資格で来日し、鹿児島県内の農場で働いている。

 特定技能制度は、人手不足が深刻な産業分野で外国人を受け入れるため、19年4月にスタートした。1号と2号があり、フレディさんは1号で在留期間は5年。さらに熟練した技能が求められる2号に移行すれば、家族帯同の無期限就労が可能になる。

 特定技能外国人は現在、東南アジア出身者が大半を占めている。農業分野のアフリカ出身者はフレディさんが初めてだった。

 マダガスカルは最貧国の一つで、人口約2800万人の8割が農業に従事する。主食はコメで、1人当たりの年間消費量は日本の倍以上。しかし、農業機械やかんがい設備が不足しており、収穫量の安定や品質向上が課題だ。

 国民の平均年齢は20代前半で、労働人口は増え続ける一方、産業が乏しく、高学歴でも失業率は高い。フレディさんは大学で農業を学び、卒業後は農薬会社で販売の仕事をしていたが、新型コロナウイルス禍で売り上げは激減。やむなく故郷に戻り、農業を始めたという。

未開拓の地で新たな取り組み

 そうした中、フレディさんは国際協力機構(JICA)が実施するパイロット事業の存在を知った。日本での就労を通じ、マダガスカルの農業人材を育成する取り組みだ。同国政府は、日本で経験を積んだ人材が帰国後に農業の近代化を担うことを期待している。

 マダガスカルは、東南アジアをルーツとする住民が多く、「最もアジアに近いアフリカ」とも言われる。日本語学習者もアフリカ…

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