日本政府が主導する第9回アフリカ開発会議(TICAD)は20日、横浜市で開幕する。石破茂首相は新経済圏構想「インド洋・アフリカ経済圏イニシアチブ」を表明、潜在力が大きく、将来的にも経済成長が見込まれるアフリカへの日本企業の投資促進を目指す。アフリカからは49カ国が参加し、日本政府・企業と300以上の覚書を結ぶ予定。
首相は19日、「日本の技術や知見を生かし、解決策を見いだし、日本とアフリカ両方の繁栄につなげたい。国際社会で存在感が高まるアフリカとの連携をさらに密にしたい」と記者団に述べた。日本開催は6年ぶりで、22日まで3日間開かれる。
アフリカ54カ国のうち、軍事クーデターでアフリカ連合の資格が停止した5カ国以外の49カ国を招待し、33カ国は首脳級を派遣する予定。大阪・関西万博でも8カ国の首脳級が訪日し、外務省関係者は「今年はアフリカとの関係が大きく前進するアフリカ・イヤーだ」と位置づける。
1993年に始まった当初は開発援助が中心だったが、2050年に世界人口の4分の1を占める見通しのアフリカの経済成長を取り込むことに軸足を移している。インフラ投融資などで影響力を増す中国を念頭に、日本は自由で公正な経済圏の構築を掲げ、重要鉱物の供給網整備など、経済安全保障面の協力も打ち出す。【田所柳子】
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