トランプ米大統領は18日、ウクライナのゼレンスキー大統領とホワイトハウスで会談した。ロシアによるウクライナ侵攻について協議し、その後、欧州の首脳らも交えた拡大会合も開いた。トランプ氏はウクライナが求めてきた「安全の保証」に米国が関与する方針を明言した。ロシアのプーチン大統領にも電話し、ロシアとウクライナの首脳会談を調整し、自身も交えた「3者会談」の実現に改めて意欲を示した。
トランプ氏とゼレンスキー氏のホワイトハウスでの会談は、口論となり決裂した2月末以来。拡大会合には、フランスのマクロン大統領や英国のスターマー首相らが参加した。トランプ氏は会合の終盤、米アラスカ州で15日に会談したばかりのプーチン氏に電話し、ウクライナとの首脳会談について協議した。
ウクライナの安全の保証について、トランプ氏は会談や会合で、米国が関与する方針を表明。プーチン氏もウクライナへの安全の保証の提供を受け入れる意向だと明かした。「欧州が大きく負担し、米国が支援する」と説明した。会合終了後、ゼレンスキー氏は詳細が「10日以内」にまとめられるとの見通しを示した。
トランプ氏は会合後、自身のソーシャルメディアで、ロシアとウクライナの首脳会談の調整をしていると明かした。両国の首脳会談後、自身も含めた「3者会談」の実施を想定しているという。「開催地は今後決定される」とも投稿した。ドイツメディアによると、メルツ独首相は、トランプ氏が「2週間以内」の開催を目指していると明らかにした。
トランプ氏とゼレンスキー氏の会談ではロシアが支配するウクライナの領域についても議題となった。報道によると、トランプ氏は東部ドンバス地方(ルハンスク、ドネツク両州)からウクライナ軍を撤退させるというロシアの提案を支持している模様だ。ゼレンスキー氏によると、ロシアの占領地について地図を示して議論したという。
ゼレンスキー氏は会合で、トランプ氏との会談が「これまでで最も良い話し合いだった」と評価した。他の出席者からも米側が安全の保証に関与する方針を示したことを歓迎する発言が相次いだ。
一方で、トランプ氏は即時停戦よりも和平合意の締結を優先するロシア寄りの立場を示しているが、メルツ氏らは「停戦」が必要だと指摘。マクロン氏は欧州も含む「4者会談が必要になるかもしれない」と述べ、欧州の頭越しで議論が進むことへの警戒感を示すなど、温度差も浮き彫りになった。【ワシントン松井聡】
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