中国の王毅外相は18日、インドのジャイシャンカル外相とニューデリーで会談し、中印関係の前進で一致した。中国外務省が発表した。19日にはモディ首相とも面会する。モディ氏は31日から中国・天津で開かれる「上海協力機構(SCO)」首脳会議への出席が報じられており、習近平国家主席との会談に向けた地ならしも行ったとみられる。
王氏はジャイシャンカル氏に対し、2024年の中印首脳会談により、国境係争地での衝突で悪化していた両国関係が「再出発」したと指摘。現在は国境地帯でも平和が保たれ、「中印関係が協力軌道に戻る状況を示している」とした上で、「互いをライバルではなくパートナーととらえるべきだ」と強調した。
一方、ロイター通信によると、ジャイシャンカル氏は「我々の関係は困難な時期があったが、両国は今、前に進もうとしている。双方からの率直で建設的なアプローチが必要だ」と述べた。貿易問題などについても協議したという。両氏は7月にも北京で会談していた。
中印両軍は20年、ヒマラヤ山脈付近の国境係争地で衝突し、インド側で20人、中国側で4人が死亡した。両国関係は急速に悪化したが、24年にモディ氏と習氏がロシアで開かれたBRICS首脳会議に合わせて会談し、緊張緩和の兆しが見られていた。モディ氏の訪中は、実現すれば18年以来となる。【北京・畠山哲郎】
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