
国内の茶系飲料市場で、ルイボスティーの勢いが止まらない。原料の茶葉は世界の一部地域でしか栽培されていないが、日本の輸入量はこの10年あまりで7倍ほどに伸び、直近5年は世界一だ。需要急増の背景に何があるのか。
産地は南アフリカのみ
日本から約1万4700キロ離れた南アフリカ・ケープタウン。その北方200キロほどに連なるセダルバーグ山脈の一帯で、長さ60センチほどの細い枝に1~3センチの針のような葉をつける低木が自生する。
これがルイボスだ。現地語で「赤いやぶ」を意味する。マメ科の一種で、摘んで乾燥させた葉や茎がルイボスティーの原料になる。
乾燥した場所を好み、夏季の平均気温40度以上の過酷な環境で育つ。南ア以外の国で栽培に成功した例はない。
もともと先住民族が薬草としてお茶にして飲んでいたとされ、その後は入植したオランダ系移民が紅茶代わりにしたと伝わる。
3割が日本向け
ルイボスは南アから50カ国以上に輸出されているが、際立つのが日本だ。
南アフリカルイボス協議会(SARC)によると、2024年の世界総輸出量は9760トン。このうち日本は3割に当たる2910トンを輸入している。12年の382トンから7・6倍の伸びだ。18年にドイツを抜いて初めて世界一になり、19年は2位だったが、20年以降はさらに増えてトップシェアが続く。
一方、他の茶葉の輸入量は減少傾向にある。全国茶生産団体連合会などによると、ウーロン茶の輸入量は01年の2万7136トンをピークに減り続け、23年は7922トン。紅茶もピークだった11年の1万9802トンから、23年は1万3704トンに減った。
なぜルイボスだけが日本でここまで急伸しているのだろ…
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