全国高校野球選手権は21日、準決勝が行われ、決勝の顔合わせが決まる。
注目を集めているのが、第1試合で日大三(西東京)と対戦する県岐阜商だ。
「商業」と名の付く学校が決勝に進めば、夏は29年ぶりとなる。かつて一時代を築いた勢力が甲子園を沸かせている。
県岐阜商は1925年創部。戦前に春3回、夏1回の優勝を果たした伝統校だ。
選抜大会の出場30回、全国選手権大会の出場31回はともに岐阜勢最多。2000年代に入り、春は13、15年に準々決勝に進んだ。
夏は09年に準決勝に進出したが、その後は12、21、22年と出場3大会連続で初戦敗退していた。
「商業」勢は長く球史を彩ってきた。
最後に夏の頂点に立ったのは、1996年の松山商(愛媛)。熊本工との決勝は右翼手による本塁ダイレクト送球でサヨナラ負けのピンチを脱した「奇跡のバックホーム」で知られる。記憶に残る名勝負を制した松山商が5回目の夏の頂点に立った。
その後、「商業」勢は夏の決勝に進めていない。
厳しい時代に入ったが、2016年春、20年ぶりに選抜大会に出場した高松商(香川)が準優勝し、脚光を浴びた。
夏の4強に「商業」勢が入るのは、19年の明石商(兵庫)以来。今大会の県岐阜商の鮮やかな復活劇は、他校にも刺激となっているに違いない。【石川裕士】
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