建築 兵庫・豊岡と30年後のドーモ・キニャーナ 成長し続ける豊かな空間=評・五十嵐太郎

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 兵庫県豊岡市にて、建築設計事務所「象設計集団」が手がけたドーモ・キニャーナ(1993年)を訪問した。大きく育った樹木を起点としつつ、空間が構成され、装飾的な細部、左官職人の久住章による壁、現場担当のアメリカ人の介入によって、実に豊かで複雑な建築である。

 象のデザインは沖縄県名護市庁舎(81年)の代表作で知られるように、強烈な土着性を特徴とするが、この住宅も設計と施工に手間と時間をかけ、完成後も成長を続け、土地に棲息(せいそく)する生きもののようだった。

 30年後の改修は若手の「ガラージュ」が担当し、これまでの記録を整理・分析しつつ、主に3階における外部との接続や浴室を調整し、近くを流れる川への展望をより楽しめるように変えている。

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