北海道内でヒグマによる人身被害が相次いでいることを受け、道は21日、札幌市内でヒグマ対策の関係者会議を開いた。道が注意喚起などを呼びかけるヒグマ注意報・警報の発出は今年度計8件に上り、過去最多だった2023年度を上回るペース。出席者からは事故抑止に向けた人員・予算の不足などを指摘する声が上がった。
注意報・警報の制度は22年度に始まり、23年度は注意報13件(8月末時点で7件)だった。今年度は21日現在、警報1件、注意報7件。
福島町の市街地で7月、新聞配達中の男性が死亡した事故を巡り、渡島総合振興局は電気柵を設置以降、市街地出没がゼロになったと報告。「非常に有効に活用できたのでは。配備の強化をお願いできたら」とした。
国有林を管理する林野庁道森林管理局は「事故防止の観点では、マンパワー、予算措置に限界がある。会議でルール作りを」と求めた。市街地で銃駆除できる「緊急銃猟」制度が9月1日に始まることについて、道猟友会は「捕獲者がどういう行動をするか、市町村の依頼があった時に受託するかどうかを検討して支部に連絡したい」と伝えた。
道猟友会の斉藤哲嗣専務理事は終了後、8月中に猟友会としての緊急銃猟の対応に関する通知を各支部に出すと報道陣に明らかにした。堀江篤会長は取材に「20日に通知を出したと話したが誤りで、問い合わせ中の環境省の回答を待ってからになる」と話した。【片野裕之】
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