「薄い覇権」下で存在感出すアフリカ 大国から秋波の中外交姿勢は

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アフリカ開発会議(TICAD)の共同記者会見で発言する石破茂首相(中央)=横浜市西区で2025年8月22日午前11時50分、手塚耕一郎撮影
アフリカ開発会議(TICAD)の共同記者会見で発言する石破茂首相(中央)=横浜市西区で2025年8月22日午前11時50分、手塚耕一郎撮影

 22日までの3日間にわたって横浜市で開かれていた第9回アフリカ開発会議(TICAD)が閉幕した。政治的にも経済的にも存在感を高めるアフリカの国際社会での立ち位置や、関係強化を図る日本の思惑を探った。

背景に巨大市場

 「ほかの国々とも同様のサミットを行っているが、それぞれの関係性の中で最善の形で恩恵を受けながら、アフリカ大陸の開発を進めたい」。22日、アフリカ開発会議(TICAD)閉幕時の共同記者会見で、共同議長を務めたアンゴラのロウレンソ大統領はこう語った。主要国が競ってアフリカへの関与を深める中、アフリカ側も自らの立場を強め、主体的に選択しようとする姿勢を示している。

 その背景にあるのが、人口増と若年層の拡大に支えられた巨大市場だ。資源供給地であると同時に成長拠点としても注目を集め、ロシアによるウクライナ侵攻を機に国際政治での位置付けも変化し、存在感を一段と高めた。

 アフリカ大陸の人口は年2%のペースで増え続け、2050年に約25億人に達する見通しだ。インドや中国が減少局面に入った後も拡大を続け、2100年には世界人口の半数を占める可能性すらある。

関係強化に動く各国

 日本は1993年から30年以上にわたりTICADを主導してきたが、歴史的な関係が深い欧米や中国に加え、新興国も同様の枠組みを立ち上げている。…

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