ドナルド・トランプ米大統領と対立を深める西部カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(民主党)が、「トランプ流」を模倣したソーシャルメディア戦略を展開している。米メディアは、トランプ氏と支持者をあざ笑い挑発する「トロール(荒らし)」として注目している。
「まもなく『MAGA』の意味は一新される」。ニューサム氏は24日にX(ツイッター)にすべて大文字で書き込んだ。添付画像では「メーク・アメリカ・ギャビン・アゲイン(米国にギャビンを再び)」と書かれた旗がはためき、頭文字はトランプ氏のスローガン「米国を再び偉大に」と同じ「MAGA」になる。旗のデザインやフォントもトランプ氏の選挙グッズを模倣している。
トランプ氏はソーシャルメディアで強調したい言葉は大文字で記し、感嘆符を多用する。政敵をあざ笑うニックネームや攻撃的な表現を使うことも珍しくない。
ニューサム氏の広報アカウントは8月以降、トランプ氏の投稿を模した書き込みを連投。「鏡映し」にしてからかう意図があり、過去にトランプ氏が投稿した生成人工知能(AI)画像をネタにしたパロディー画像も交ぜている。1カ月弱で30万人以上のフォロワーを増やし、ニューサム氏本人の私的なアカウントでも同様の投稿が増え始めた。
政権に近い保守系FOXニュースの司会者やコメンテーターは「ばかに見える」「子供じみている」などと批判。これに対し、ニューサム氏は「私の投稿に問題があると思うなら、トランプ氏が大統領として発信していた内容には、なおさら懸念を抱くべきだ」と反論する。
ニューサム氏は将来の大統領選で民主党の有力候補に挙がる。トランプ氏が南部テキサス州で共和党有利に連邦下院の選挙区割り変更を図るのに対抗し、カリフォルニアでも民主党に有利になるような区割り変更計画を主導。6月には移民取り締まり強化への抗議活動に対し、州兵派遣を決定したトランプ氏との対立も先鋭化した。【ニューヨーク八田浩輔】
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