
スナックやホストクラブが建ち並ぶ東京・歌舞伎町の一角に、入り口が閉め切られたままのコンビニがある。張り紙には「営業再開:未定」とある。
「ローソン歌舞伎町二丁目西店」。5月中旬、この店が舞台となった詐欺事件が発覚した。
当時営業していた店内の防犯カメラには、容疑者たちの行動が映っていたという。
慣れた手つきでレジを操作
2024年11月9日午後11時ごろ。コンビニの自動ドアが開くと、3人の若い男性が入店してきた。
普段は店員がいるレジカウンターの内側に回り込む。そして、慣れた手つきでレジを操作して、何台ものスマートフォンを次々と端末にかざしていく。
この前日の8日夜にも、同じグループの女性が同様の行動をした様子も防犯カメラに映っていたという。
半年後の5月14日、警視庁犯罪収益対策課は、他人のクレジットカード情報で加熱式たばこを購入したとして、この4人を電子計算機使用詐欺容疑で逮捕した。4人はいずれも20代でベトナム国籍だった。
警視庁によると、グループは不正に得たカード情報を登録したスマホの電子マネー「iD」を使い、「オフライン決済」をしていたという。
この決済方法はインターネットに接続しないため、カード会社が不正をリアルタイムで覚知できない。その仕組みを悪用していたとみられる。
カメラに映るもう1人の人物
グループのコンビニでの滞在時間は3時間に及ぶ日もあった。その間に2772箱(160万円相当)の加熱式たばこをスマホ決済で「爆買い」していたとされる。決済の数は164回にも上った。
これを可能にしたのは、店側に「協力者」がいたからだったとされる。
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