贋作所蔵の高知県立美術館で「贋作を考える」展覧会 対象作品も展示

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ハインリヒ・カンペンドンクを詐称したヴォルフガング・ベトラッキ「少女と白鳥」(1990年代、高知県立美術館蔵) 拡大
ハインリヒ・カンペンドンクを詐称したヴォルフガング・ベトラッキ「少女と白鳥」(1990年代、高知県立美術館蔵)

 高知県立美術館(高知市)は、所蔵していた絵画が贋作(がんさく)と判明したことを受け、贋作について考える展覧会「再考《少女と白鳥》 贋作を持つ美術館で贋作について考える」を9月13日から開催する。贋作と判明した対象作品も展示する。

 同美術館は1996年、ドイツ人画家のハインリヒ・カンペンドンクが19年に描いた油彩画「少女と白鳥」とされる絵画を1800万円で購入した。しかし、2024年6月、ドイツ人のヴォルフガング・ベルトラッキ氏が制作した贋作である疑いが判明。ドイツの捜査当局から提供された資料や、絵画に使われた絵の具の科学調査などを踏まえ、25年3月に贋作と認定した。

 展覧会は「さまざまな角度から『少女と白鳥』を『再考』する」ことがテーマ。贋作の展示以外に、古今東西の贋作事件の歴史をパネル展示するほか、真作か「そうでないもの」かの線引きが難しい実態を、実際の作品展示を通して考える。さらに、他の所蔵作品でも実施した科学調査を紹介して、使われた絵の具が時代ごとに変化していることを示す。

 初日の9月13日には、科学調査を担当し、展示の監修も務めた田口かおり・京都大准教授のレクチャーがある(受付は終了)。10月19日には、美術や法律の専門家によるシンポジウム「美術館と贋作問題」を開催する。

 会期は9月13~25日、10月4~19日。観覧料は一般400円、大学生220円、高校生以下無料。開館時間は午前9時から午後5時(入場は同4時半まで)。問い合わせは同美術館(088・866・8000)。【小林理】

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