最新鋭の英空母プリンス・オブ・ウェールズ 「住み心地」は?

Date: Category:速報 Views:1495 Comment:0

英空母「プリンス・オブ・ウェールズ」の飛行甲板=2025年8月28日、米村耕一撮影 拡大
英空母「プリンス・オブ・ウェールズ」の飛行甲板=2025年8月28日、米村耕一撮影

 東京湾に停泊中の英空母「プリンス・オブ・ウェールズ」は2019年に就役したばかりの新鋭艦だ。とはいえ、4月に英国を出港し、東京に来るまでにスエズ運河やインド洋を越えてすでに約5カ月。苦労も多いに違いない。艦内が一部メディアに公開された機会に乗り組んでいる士官らに「住み心地」を聞いてみた。

 最初に案内されたのは「ワードルーム(士官室)」だ。ここにはバーカウンターがあり、冷蔵庫にはギネスビールがぎっしり詰まっている。ただ、部屋そのものは日中も開いているが、冷蔵庫にはカギがかかっている。士官たちは午前10時ごろにここに来て、紅茶とビスケットを食べると聞いて、英国らしいと感心した。

 ちなみに士官以外の乗組員の集まるバーは別にあるという。教えてくれた士官は「バーの存在は業務にも役立つ。1600人も乗組員がいて部署もばらばらだ。飲んでコミュニケーションをとってこそ仕事がスムーズに進むこともある」と強調していた。こういうところは日本の昭和のサラリーマンに近い。

英空母「プリンス・オブ・ウェールズ」艦内のジム=2025年8月28日、米村耕一撮影 拡大
英空母「プリンス・オブ・ウェールズ」艦内のジム=2025年8月28日、米村耕一撮影

 艦内にはバーのほか、食堂とは別にカフェもある。また、運動用のジムやスクリーンゴルフの設備もあって、乗組員が運動不足にならないよう気をつけているそうだ。トイレを借りると、「太りすぎや飲み過ぎに注意」という内容の注意書きが張られていた。

 不便なことはないのか、別の乗組員に聞いてみた。一番の問題は、船内のWi―Fi(ワイファイ)の電波が弱いことだという。自分たちの船室ではスマートフォンを使えるが、映像での通話はできず、国の家族と連絡する際も文字メッセージしか送れないそうだ。

 最後に「英国から太平洋は遠い。自国の安全保障とは関係がないという気にならないか」と意地悪な質問もしてみた。

 「確かに遠い。でも太平洋で(米豪軍や自衛隊などと)合同訓練をして感じたよ。ここで助ければ、何かあったときに我々も助けてもらえる。ただというわけにはいかないからね」というのが若い乗組員の答えだった。【米村耕一】

Comments

I want to comment

◎Welcome to participate in the discussion, please express your views and exchange your opinions here.