米国務長官、ブラジル最高裁判事に制裁 ボルソナロ氏の裁判に圧力

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ブラジルのモラエス最高裁判事=ブラジリアで2023年6月29日、AP 拡大
ブラジルのモラエス最高裁判事=ブラジリアで2023年6月29日、AP

 米国のルビオ国務長官は30日、ブラジルのモラエス最高裁判事に対して制裁を科すと発表した。モラエス氏は、2022年のブラジル大統領選で敗北した結果を覆すためにクーデターを起こそうとしたとして起訴されたボルソナロ前大統領の裁判を担当している。

 ルビオ氏は「深刻な人権侵害」を理由に挙げたが、トランプ米大統領の「友人」であるボルソナロ氏の裁判中止を求めて圧力を強めたとみられる。

 ルビオ氏は声明で、モラエス氏が米国のソーシャルメディア企業などに秘密の命令を出すなど、権限を乱用して政治的な批判を押さえ込んだと主張した。また、公判前の不当な拘禁を承認し、表現の自由を侵害するために職権を乱用したとも批判した。

 人権侵害に関わった外国の人物や団体に制裁を科す米国の「マグニツキー法」を根拠として、制裁対象に指定したと説明している。

 米財務省によると、制裁によってモラエス氏が保有する全ての米国内の資産が凍結される。米国市民がモラエス氏と取引することも禁止されるという。

 トランプ政権は、ボルソナロ氏の裁判を「政治的魔女狩りだ」などと非難し、中止を求めている。7月18日には、モラエス氏や法廷関係者らに対し、米国ビザの発給を制限すると発表した。これに対し、ブラジルのルラ大統領は司法に対する外国の干渉は容認できないと猛反発している。【ワシントン西田進一郎】

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