パレスチナ問題を巡り、ずっと解せないことがある。「反ユダヤ主義」という言葉が持つ魔力だ。イスラエル軍の民間人殺害への批判も、学生たちの抗議デモも、これで抑え込まれてしまうのはなぜなのか。「その言葉は二重に捏造(ねつぞう)された概念です」。長年パレスチナを見つめる早稲田大教授の岡真理さん(64)が指摘する。問題の根源につながるという、その真意を尋ねた。
「イスラエルの行為は紛れもないジェノサイド(大量虐殺)です。それも大勢の殺傷にとどまらない。モスクや博物館を破壊して歴史と文化を抹消し、土地や地下水を汚染して住めなくさせ、パレスチナ人という存在自体を消し去ろうとしています」
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