2026年度から高校野球に指名打者制(DH制)が取り入れられることになった。日本高校野球連盟が1日決めた。
従来より1人多く起用できることで選手の出場機会の増加につながる半面、「投げる」「打つ」などの分業が進む可能性がある。
米大リーグで投打「二刀流」で活躍する大谷翔平選手(ドジャース)のようなスケールの大きな選手が出てくるか心配する声もあるが、大谷選手の母校、花巻東(岩手)の佐々木洋監督はDH制を「安全面や出場機会、生徒の個性を生かすという教育的な配慮から見ても、すべての面で素晴らしいこと」と好意的に受け止める。
チーム側は、DH制を使用するか、使用しないかを自由に選択できる。
先発で出場した選手に限り投手とDHを兼務可能とし、先発兼DHで出場した投手は降板後もDHで試合に出場できるなどの通称「大谷ルール」の適用も、日本高野連は視野に入れる。
花巻東には、新ルールが適用される時期に主力となる現チームの2年生に投打ともに優れた選手がいる。こうした選手の起用法について佐々木監督は「悩ましいところもあるが、しっかりした状態で投げた方がいい。それ以外に打者を育てればよいかなと思っている」と語る。
今夏の甲子園大会では二刀流で注目される選手がいる。山梨学院で投手と一塁手を兼任する菰田陽生(はるき)選手(2年)は身長194センチ、体重100キロと体格に恵まれ、既に最速152キロ、高校通算25本塁打と投打で活躍する。来春からのルール変更の影響を受ける世代でもある。「夏の大会が一番大事なのでまだイメージはしていない」と語る一方で「投げる方が好きだが、打席にも立ちたい」と意欲を示している。【長宗拓弥】
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