全国高校野球選手権大会は6日、阪神甲子園球場で1回戦があり、仙台育英(宮城)は鳥取城北に5―0で勝ち、準優勝した2023年以来2年ぶりに2回戦に進んだ。
仙台育英・須江航監督の試合後の主なコメントは次の通り。
仙台育英・須江航監督
謙遜ではなく鳥取城北の方が地力が高いと思っていたので当たりたくなかった。事前に聞いていた通り、大会屈指の投手陣でした。
一回に田山纏(まとい)が素晴らしい二塁打を打ったのに得点が入らなかったので、これは拮抗(きっこう)してしまうサインだと思いました。
元々そんなに打てるチームではないので。走塁やエンドランで崩す攻め方しかないというところで、2巡目からうまく対応してくれた生徒は頼もしい限りですけど、点差ほどの実力差はありませんでした。
四回に田中勇飛投手を攻略できたのは、宮城県大会で東北高校の速球派のサイドスロー川原輝陽投手との対戦した経験が大きかったです。いいライバルに苦しめながら県大会を戦えたことでつなぐ意識が生まれて、今日の結果につながったと思います。
(大会第1号の)原亜佑久はおそらく練習試合も含めて初本塁打。前日に自分で打撃投手をやって、状態がいいと判断しました。足を生かした攻撃ができる打者なんですけど、甲子園だから持っている以上の力が出たんでしょうね。
うちは全員がレギュラーだと思って競争して練習してきているので、誰が出てもきっと素晴らしいプレーをしてくれたと思います。
(完封の)吉川陽大は次の試合まで日程が空くので、甲子園で投げきるという経験が吉川をもう一つ上のレベルに育てると思って、初戦だけこのような形にしました。
お母さんが(バレーボールの)世界ナンバーワンリベロで、お父さんが(元女子日本代表)監督ですからね。天性の勝負根性を持ってますよ。
試合だけじゃなくて練習でも歯を食いしばって頑張れる。今の時代に最も身につけにくいものを持ってくれているのは、かなりのアドバンテージだと思います。
(控え投手は)情報戦でもあるので無理に見せる必要はないかなと。ここから先は控え投手がどれだけ活躍をしてくれるかになります。
2年前の決勝は誰もベンチに入っていないので、初出場みたいなものです。(歴代で)最も練習して最も厳しく接してきました。
2022年が優勝、23年が準優勝で良すぎたんですよ。
今年の3年生は初優勝に憧れて入ってきて、「頑張れば報われて甲子園にいけるんだ。幸せになれるんだ」みたいな錯覚に陥ってしまった。努力しても夢は叶わないんだっていうことを3回教えてもらって4度目の正直だった。
「本当にそれでいいのか」という問いかけを何回したか分からないです。心地よさだけでは到達できない部分があって、自問自答をさせ続けた先に本当の強さが生まれてきた。
彼らが己に苦しさを課した1年が報われて本当によかったと思います。止まったものをまた動かすのはすごく大変な労力が必要なので、よく頑張ったと思います。
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