第二次世界大戦末期に米軍が広島に原子爆弾を投下してから80年を迎えます。被爆者による唯一の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)」は昨年、ノーベル平和賞を受賞しました。被団協はどのような活動をしてきたのでしょうか。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「ノーベル平和賞受賞の日本被団協の活動」を解説します。
Q 日本被団協ってどんな団体なの?
A 広島や長崎の原爆被害者による唯一の全国組織で、日本の反核・平和運動の中心的存在です。35都府県に地方組織があり、被爆体験の継承や健康手帳の申請支援も行っています。
Q どうしてノーベル平和賞をもらったの?
A 「核兵器の使用は道徳的に容認できないという国際規範の確立に多大な貢献をした」と評価されました。
Q 日本人がノーベル平和賞を受賞したことはあるの?
A 団体としては今回が初めてです。個人では佐藤栄作元首相が1974年に受賞していて、50年ぶり2度目となりました。
Q どんな活動をしてきたの?
A 被団協は56年8月10日に長崎市であった第2回原水爆禁止世界大会で結成されました。活動の目的は「原水爆禁止運動の促進」「原水爆犠牲者の国家補償」など。「これ以上被爆者を出さない」という強い願いを表す「ノーモア・ヒバクシャ」を合言葉に、国内外で被爆体験の証言活動を続けてきました。また、国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」とも連携し、核兵器禁止条約の成立に貢献しました。
Q 最近の世界の核兵器の状況はどうなの?
A ロシアがウクライナ侵攻で核兵器使用の脅威を高めるなど、国際情勢は緊迫しています。ノーベル賞委員会のヨルゲン・バトネ・フリードネス委員長は「核兵器は数百万人を殺害し、気候に壊滅的な影響を与える可能性がある」と警鐘を鳴らしました。
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