○DeNA7―4巨人●(2日・東京ドーム)
低く、強く、外野手の間を破る「らしい」打球だった。7月に日本球界に復帰したDeNAのビシエドが初の先発出場で存在感を示した。
見せ場はいきなりやってきた。一回、2点を先取し、なお2死三塁の好機で右打席へ。今季3戦3敗と苦手としてきた巨人・グリフィンを畳みかけるには最高のシチュエーションだ。
「チャンスなので積極的に、初球からいこう」という狙い通り、初球の高めのストレートを強烈なラインドライブで左中間への適時二塁打とし、復帰後初安打で3点目をもたらした。
七回の第4打席にも右中間を破る二塁打。ビシエドが持ち味とする広角への打撃で、チームを勝利に導き「ファンの応援が打たせてくれた。すごくほっとした」と破顔した。
2016年から9季、中日に所属し、18年に首位打者と最多安打、19年にはリーグ最多の43二塁打を記録した。昨季限りで中日を退団し、今季途中まではメキシコのリーグでプレーしていた。
2年連続日本一を狙うDeNAは、故障中のオースティンは復帰が未定で、ビシエドに白羽の矢を立てた。背番号は中日時代と同様、「66」となった。
チームは1日に牧秀悟が上半身のコンディション不良で離脱したものの、ビシエドらの活躍で打線がつながり、3連勝で2位に浮上した。8月は主軸を欠きながらの戦いを強いられるが、ビシエドは「チームが与えてくれた場面でしっかり結果を残すことが大事」。自慢の打棒で、なすべきことをなす。【牧野大輔】
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