ラグビーのKOBELCOカップ2025第21回全国高校合同チーム大会、第15回全国高校女子合同チーム大会(日本ラグビー協会主催、毎日新聞社など後援、KOBELCOグループ特別協賛)は最終日の3日、長野県上田市のアンダーアーマー菅平サニアパークで男女決勝リーグなどが行われた。
豊かな自然が眼前に広がる菅平高原のグラウンドで、今年も緑色のジャージーが躍動した。目標の3連覇を果たした男子U17の近畿は、多彩な攻撃で最後までライバルたちを寄せ付けなかった。
決勝リーグでともに1勝し、勝てば優勝が決まる九州との最終戦は、序盤から敵陣で攻撃態勢が続いた。
待望の初トライは前半12分だった。敵陣ゴールに近い位置で近畿ボールのスクラムから、最後はパスを受けたCTB小出壮太郎(2年)=東海大大阪仰星=が決めた。
「フォワードが耐えてくれている。バックスで取り切ろう」。気持ちを前面に出し、相手選手2人のタックルを受けても、止まることなく突進した。
小出の前に出る姿勢には理由があった。およそ1週間前、同じ菅平で行われた全国高校7人制ラグビーに出場したが、上位進出を果たせなかった。
人数が少ない7人制に挑戦する中で「自分から動かなければ、きっかけは生まれない」と学んだ。雪辱を期して臨んだ攻めの姿勢が結実した。
近畿は前半終了間際に決めた二つ目のトライも力で押し込んだ形だったが、後半に光ったのは「速さ」だった。
後半7分、敵陣22メートルラインで味方が相手防御の隙間(すきま)を突いて抜け出すと、パスをもらったWTB赤穂晃太郎(2年)=報徳学園=が一気に飛び込んだ。
近畿を率いた王子拓也監督(天理監督)は「近畿から高校ラグビーを先導したい」と語る。全国有数の強豪校から集まり、「ワンチーム」で抜きんでた強さを示した選手たち。明日からは再び切磋琢磨(せっさたくま)の日々が始まる。【川村咲平】
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