第107回全国高校野球選手権大会が5日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する。開幕試合は創成館(長崎)と小松大谷(石川)が対戦。気温が上がる日中を避けるため、今大会は初めて開会式が夕方開催となり、開幕試合もナイターで行われることになった。
「やっと終わったと…」
今大会は暑さ対策として、試合の開始時間を午前と夕方に分ける「2部制」を一部の4試合日に拡大する。熱中症は初戦に発症しやすい傾向があるとして、大会序盤の6、7、9、10日が対象となる。
2部制は昨年から導入された。昨年の大会初日は午前8時半から開会式を行い、開幕試合を午前10時すぎに開始。その後、午後4時から夕方の部の2試合を実施した。
智弁学園(奈良)―岐阜城北の第3試合が始まったのは午後6時52分。慣れないナイターの影響からか、両チーム合わせて10失策と守備が乱れた。延長十一回タイブレークの末、智弁学園が9―6で勝利した。
この日、智弁学園の選手たちは午前5時ごろに起床し、開会式後にいったん宿舎に帰り、休息後に再び球場に戻るという慌ただしい一日を過ごした。当時の知花琉綺亜(るきあ)主将は「勝った喜びもあるが、やっと終わったという感じもあります。疲れました」と語っていた。
そうした状況を受け、今大会、主催者は大会期間を例年より1日長い18日間とした。その上で、開幕日は気温の高い昼間を避けつつ、開会式から試合までの待ち時間が長くなる負担を減らす。開会式を午後4時、開幕試合を午後5時半に開始。この日は開幕試合の1試合のみ行う。
全出場校の組み合わせは3日の本抽選会で決まった。ただ、選手の調整や応援団のスケジュール確保に配慮するため、開幕試合の1試合のみ、本抽選会に先立って1日にオンラインで決定していた。【深野麟之介】
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