石破茂首相は5日の参院予算委員会で、トランプ米政権の関税措置を巡る日米間の詳細な合意内容について、政府のホームページなどで公表する考えを明らかにした。日米間で合意文書は作られておらず、米国側が発表する内容と日本政府の説明に解釈の違いがあるといった指摘が出ていた。首相は「国民の不安を解消するという意味でも、正確なものをなるべく早く政府内で検討し、(公表を)実行に移していきたい」と述べた。
国民民主党の浜口誠氏が「日本としてこういう合意をしたというのを公表すべきだ。それがないから米国との齟齬(そご)が生じ、国民も不安になる」と対応を求めた。これに対し、首相は「それほど簡単な作業ではなく、非関税措置もある。間違ったものを出すと大混乱が生じる」と慎重を期す考えを示しながらも、内容は明示するとした。
一方、自動車・自動車部品の関税が15%に下がる時期が明確になっていないことを巡り、目標とする時期を問われた赤沢亮正経済再生担当相は「相手のあることなので、一日も早くということしか申し上げられない」と述べるにとどめた。赤沢氏は、訪米して自動車・自動車部品に関する大統領令を出すよう米側に促す考えを示し「我が国の経済に大変なダメージが生じている。一定の時間はかかると思うが、一生懸命急いでいる」と強調した。
また、今夏の参院選でも一部報告があったとされる選挙期間中の交流サイト(SNS)への外国からの介入について、規制する考えがないかを問われ、首相は公職選挙法や刑法など既存の法令を適用して厳正に対処する姿勢を示した。首相は「国内法令を適用し、いかにして犯罪抑止機能を持つか。選挙の公正が害されないよう政府として努力していきたい」と語った。
4、5両日に衆参予算委の集中審議が開かれ、臨時国会は5日に閉会した。【光田宗義】
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