卓球 Tリーグ女子開幕戦(27日・代々木第2体育館)
○日本生命3―1日本ペイント●
第4試合、日本生命の赤江夏星は日本ペイントの18歳・青木咲智の追い上げに苦しんでいた。幸先良く2ゲームを先取したが、第3ゲームを落とし、第4ゲームの最後は青木のボールがネットインとなって失点。嫌な形でゲームを落とした。
「流れがないな、と。少しイライラした自分もいた」。以前はイライラを引きずり、その後のプレーが雑になる傾向もあった。だが「ここをうまく切り替えられたら、また新しい自分になれる」と冷静だった。最終第5ゲームも追う展開となったが、サーブで崩し、最後は4連続得点で粘る青木を振り切った。
昨季はシングルスで15勝を挙げた。だが、プレーオフ準決勝では自身もチームも敗れ、シーズン終了後に出場した国際大会でも白星が遠かった。負けたくない気持ちからミスを恐れ、安全なプレーを選択しがちだった。何かを変えないと勝てないとの思いで、今季は「新しい自分を探す」をテーマに掲げた。
試合中は相手を左右に振る中で仕留めていく場面が見られたが、100%の自信があったプレーではないという。「新しいものが得られたらと、迷った時は全部、自信がない方を選択した」と、勇気を勝利につなげた。
絶対的エースの早田ひなは国際大会出場のため開幕戦を欠場。今後も同様のケースが想定される中、赤江の出来がチームの浮沈の鍵を握る。「自分がエースという自覚を持って貢献していきたい」と、21歳の若き背中は頼もしさを増していた。【玉井滉大】
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