
滋賀県東近江市の湖東記念病院の入院患者死亡を巡り、殺人罪で服役後に再審無罪となった元看護助手の西山美香さん(45)=滋賀県彦根市=に対し、県警の池内久晃本部長が7日、直接謝罪した。
池内本部長は、西山さんや西山さんの両親らと彦根市の湖東合同庁舎で面会し、「逮捕から今日にわたり、言葉では言い尽くせないほどの心労、負担をかけ、大変申し訳ございませんでした。今後は、緻密かつ適正な捜査に励んでまいります」と述べた。
西山さんは事件で懲役12年の実刑が確定したが、大阪高裁が2017年に再審開始を決定し、大津地裁が20年に再審無罪を言い渡した。
西山さんは県と国に賠償を求める訴訟を起こし、25年7月、大津地裁は、県警が不当な誘導をして虚偽自白させた上、入院患者がたん詰まりで死亡した可能性を示す捜査資料を検察に送致していなかったと認定。捜査の違法性を認め、県に約3100万円の支払いを命じた。
県側は控訴を見送ることを明らかにしていた。
国賠訴訟の地裁判決は、検察の捜査や起訴については違法性を認めておらず、西山さん側は、国を相手取って大阪高裁に控訴している。【菊池真由】
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