「日本も例外でない」 “ミスター・デモクラシー”参政党躍進に危惧

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米スタンフォード大フーバー研究所のシニアフェローを務めるラリー・ダイアモンド教授=本人提供
米スタンフォード大フーバー研究所のシニアフェローを務めるラリー・ダイアモンド教授=本人提供

 民主主義研究で知られる米スタンフォード大のラリー・ダイアモンド教授に、7月に行われた日本の参院選で「参政党」が躍進したことや、揺らぐ民主主義をどう守るのかについて聞いた。【聞き手・ワシントン西田進一郎】

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 ――7月に行われた参院選では、新興の「参政党」が議席数を大幅に増加させました。

 ◆明らかに懸念すべき事態だ。これまで専門家は、日本の特異性という謎を解き明かそうとしてきた。なぜ日本では、欧米で見られるような右派やリベラル派の政党もしくは勢力が大規模に台頭しないのかと。しかし、日本はもはや完全な例外ではないということだ。

 参政党の特徴は、日本の状況に適合しているものの、どこか既視感がある。台頭してくる政党の背景には共通する根本的な構造がある。

 一つは、若者が今のシステムは自分たちに向き合っていないと感じ、疎外されていると感じていることだ。親世代が享受した経済的機会や経済的安定は無く、個人としての成功のビジョンも提供されていないように見えている。そうなると、若者は他の国から来た移民らに目を向け、自分たちの機会を奪っていると感じる。

 日本や米国、ドイツでは、主要政党が権力に安住している。法的には腐敗していないかもしれない。しかし、政治の進め方や政策決定をめぐっては、企業や富裕層が政府に求める恩恵との間の利害関係で「腐敗」している状態に見える。これはポピュリズムが繁栄し、選挙で台頭する肥沃(ひよく)な土壌になる。

 ――出口調査によると、参政党は若年層における支持率が高いという傾向でした。

 ◆私もそのデータを見たが、各政党は若者の不満や希望に耳を傾け、対応する必要があるという警告のサインだ。

 同様の傾向は、右派だけでなく、左派のポピュリスト勢力…

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