米ホワイトハウスのレビット報道官は6日の声明で、ロシアが侵攻したウクライナ情勢を巡るウィットコフ中東担当特使とプーチン露大統領の6日の会談で、ロシア側からトランプ大統領と会談したい意向を伝えられたと明らかにした。その上で、「トランプ氏はプーチン氏とウクライナのゼレンスキー大統領と会談することに前向きだ」と強調した。
仮に対面での米露首脳会談が実現すれば、第2次トランプ政権の発足後初めてとなる。
米紙ニューヨーク・タイムズは6日、会談は早ければ来週にも開かれ、その後早期にゼレンスキー氏を交えた会談を実施することを計画していると報じた。ただルビオ米国務長官は6日のFOXビジネスの番組で、米露首脳会談の開催について「まだ多くのことが起こる必要がある」と述べており、時期は不透明だ。
トランプ氏は停戦の実現に向けて、ロシアに対して当初の融和的な姿勢から圧力をかける方向にかじを切っており、首脳会談で事態の打開を図りたい考えだ。ただ、プーチン氏はこれまで停戦の条件で譲歩する姿勢を見せていない。
ウィットコフ氏は6日にモスクワを訪問し、プーチン氏と約3時間会談した。トランプ氏は会談を受けて、自身のソーシャルメディアで「非常に生産的な会談だった」と強調。その後、ホワイトハウスで記者団に、「終戦を迎える可能性がある」としつつ、停戦のめどについては「これまで何度も失望してきたので言いたくない」と述べた。プーチン氏が譲歩を示したのかについては「突破口を開いたとは言えない」と慎重な姿勢も示した。
タス通信によると、ウシャコフ露大統領補佐官も「会談は極めて有益で建設的だった」と説明。「シグナル」を伝達したとも明かし、米側の対応を待つ考えを示した。
トランプ氏はロシアが8日までに停戦に応じない場合は、ロシアから石油などを購入した第三国に対して「2次関税」を課すなどの追加制裁を検討している。ルビオ氏は追加制裁について、「トランプ氏が24~36時間で決定を下す」と語った。【ワシントン松井聡、モスクワ山衛守剛】
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