イスラエルのネタニヤフ首相は5日、パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラム組織ハマスとの戦闘についてカッツ国防相らと協議し、ガザ地区全体の占領を視野に戦闘を拡大させる考えを示した。7日にも閣議を招集し諮る予定だ。イスラエルメディアが報じた。戦闘が拡大すれば、ガザ地区の民間人の犠牲がさらに増えるのは必至だ。
ガザ地区では約190人が飢餓により死亡しており、人道危機が深刻になっている。ハマスなどが今月に入り、痩せ細った人質の映像を公開したことで、イスラエル政府内にはハマスへの圧力強化を求める声が上がっていた。
5日の協議後、イスラエル首相府は「イスラエル軍は、閣議で決まったいかなる計画も実行に移す準備がある」と強調した。ただ軍は、戦闘拡大によって拘束されている人質の命を危険にさらす可能性があると警告しており、国内では反発が広がっている。
イスラエル軍はガザ地区全体の約75%を占領しており、住民たちは既に狭い地域に押し込まれている。トランプ米大統領は5日、記者団からイスラエルのガザ地区全体の占領計画を支持するかどうか問われ、「イスラエル次第だ」と述べるにとどめた。
イスラエル軍は6日もガザ地区への攻撃を続け、中部ヌセイラットでは子ども2人を含む5人が死亡した。ガザ保健当局によると、2023年10月の戦闘開始以来のガザ側の死者は6万1000人を超えた。【エルサレム松岡大地】
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