米下院監視・説明責任委員会のコマー委員長(共和党)は5日、少女らへの性的虐待罪などで起訴されて2019年に勾留中に死亡した実業家エプスタイン氏に関し、捜査資料を含む全ての記録の提出を司法省に求める召喚状を出した。エプスタイン氏と交流があった民主党のクリントン元大統領夫妻に加え、歴代司法長官らに証言を求める召喚状も出した。
エプスタイン氏を巡っては、少女買春などに関する著名人の「顧客リスト」を残しており、「有力者に口封じのため殺害された」という陰謀論がある。トランプ大統領の熱心な支持層である「MAGA(マガ)」派の一部では定着している。
ところが、司法省は7月、リストの存在や捜査資料のさらなる公開を否定した。このため、MAGA派の一部はトランプ政権の対応への批判を強めている。さらに、米メディアがトランプ氏とエプスタイン氏との交友関係を連日報じていることもあり、トランプ氏はいら立ちを募らせている。
召喚状によると、司法省に求めたのは、エプスタイン氏と元交際相手の受刑者に関する全ての事件記録。被害者の特定につながる情報などを除いて、8月19日までに委員会に提出するよう求めた。
証言を求めたのは、クリントン夫妻や、過去の共和、民主両党の政権で司法長官や連邦捜査局(FBI)長官を務めた人物で計10人。8月18日から10月14日までの間で、それぞれに証言を求める日程を設定した。【ワシントン西田進一郎】
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