ケネディ米厚生長官 mRNAワクチンの開発支援中止を表明

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ケネディ厚生長官=ワシントンで2025年7月31日、AP 拡大
ケネディ厚生長官=ワシントンで2025年7月31日、AP

 米国のケネディ厚生長官は5日、メッセンジャー(m)RNAを活用した政府のワクチン研究開発支援を中止すると発表した。新型コロナウイルスやインフルエンザなどを対象に、生物医学先端研究開発局(BARDA)が資金提供する22のプロジェクト計5億ドルに影響するとしている。

 ケネディ氏は声明で「専門家の意見に耳を傾け、行動した」とし、「ウイルスが変異しても効果を維持できる、より安全で広範なワクチン」に資金をあてると主張した。「納税者の先行投資を維持する」ため、最終段階にある一部の研究の継続は認めるという。

 米紙ニューヨーク・タイムズなどによると、新型コロナ流行時に第1次トランプ政権の対応を非難し、BARDAトップを解任されたウイルス学者のリック・ブライト氏は「将来の未知の生物学的脅威を前に、最前線の防衛手段を自ら弱体化させることになる」と指摘した。

 mRNAを使ったワクチンは新型コロナ流行時に初めて実用化され、開発に道を開いた米ペンシルベニア大の研究者らが2023年のノーベル生理学・医学賞を受賞している。

 反ワクチン活動家だったケネディ氏は6月、ワクチンの安全性や有効性を議論する厚生省傘下の疾病対策センター(CDC)の諮問委員会のメンバー全員を解任し、新たに新型コロナウイルスのワクチンに批判的だった学者や医師などを指名した。【ニューヨーク八田浩輔】

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