文化人ら通った老舗そば店「神田まつや」が題材 8日から舞台上演

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「神田の街で伝統の味に出合ってほしい」と話す「神田まつや」店主の小高孝之さん=明珍美紀撮影 拡大
「神田の街で伝統の味に出合ってほしい」と話す「神田まつや」店主の小高孝之さん=明珍美紀撮影

 作家の池波正太郎さんら昭和の文化人たちが通ったことで知られる東京・神田の老舗そば店「神田まつや」に着想を得た舞台「食ってきな!」の上演が8~10日、東京都台東区北上野1の小劇場「上野ストアハウス」で始まる。舞踊劇団「スタジオアルマ」の新作。戦地から復員したそば店の息子が、戦後の混乱の中、店を再興していく姿を踊りや芝居で紡いでいく。

 千代田区神田須田町にある「神田まつや」は1884(明治17)年に開業した。だが、1923年の関東大震災で店舗は焼失。現在の店主、小高孝之さん(59)の曽祖父が創業家から引き継いで新装開店し、今に至っている。

「食ってきな!」の出演者。小高愛花さん(左端)もキャストの一人だ=東京都内で、明珍美紀撮影 拡大
「食ってきな!」の出演者。小高愛花さん(左端)もキャストの一人だ=東京都内で、明珍美紀撮影

 今回の公演は「食べて、見て、応援する!」を合言葉にした「神田の街おこし」の一環で企画された。まつやを含む老舗飲食店でつくる「神田食味連雀会」が協力し、タイトルに「神田食味連雀奇譚(きたん)・蕎麦(そば)の巻」との副題が付いている。小高さんの長女、愛花(まなか)さんがスタジオアルマの劇団員であることから、同舞踊劇団の主宰者、小泉憲央さん(49)が脚本の執筆や演出を担い、上演に取り組むことになった。

 舞台は二つあり、昭和編は敗戦から2年後の47年、戦地で生き延びた主人公、小川弘が、実家のそば店の再開に立ち上がる。先代の味を出すために四苦八苦し、子だぬきの妖(あやかし)が現れるなど思わぬ事態に振り回されながらも老舗の味を取り戻していく――。上演は10日まで。

 続く平成編は、実際にまつやの店舗で18、19日に上演する。時代は21世紀に移り、弘の孫と、その3人の娘をめぐる物語。いずれも、二胡(にこ)の生演奏が付く。小高さんは「神田には昔ながらの味を守っている店がある。この街のよさを芝居とともに味わってもらえれば」と語る。

 詳細は「食ってきな!」の公式サイト。【明珍美紀】

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