
トランプ米大統領と、ウクライナへの侵攻を続けるロシアのプーチン大統領との対面による会談が15日に米アラスカ州で開かれることが決まった。トランプ氏は得意とする「トップ外交」でウクライナでの停戦を実現したい考えだ。しかし、ロシアとウクライナは従来の立場を崩しておらず、その隔たりは大きい。ウクライナ抜きで大国同士が「合意」すれば、事態を一層混沌(こんとん)とさせる恐れもある。
ロシア側、前向きな姿勢示すも……
「困難なプロセスになるが、積極的に取り組むつもりだ」。ロシアのウシャコフ大統領補佐官(外交担当)は9日、米露首脳会談の日程公表を受け、前向きな姿勢を示した。ただ、ロシア側は「立場は変わらない」と表明しつづけてきた現実がある。
プーチン氏は8月初め、和平交渉の条件に言及した際に「以前と変わっていない。重要なのは、この危機の原因を根絶することだ」と改めて主張した。ウクライナの事実上の属国化や、欧州の安全保障環境の改変などを引き続き目指すとみられる。このため、大幅な譲歩の可能性は低い。
露側としては、ウクライナの戦線では優勢で、いま妥協する必要はない。トランプ氏を会談で懐柔し、「大国間の外交」の形に持ち込むことで、自国に有利な条件での停戦を模索できると判断したとみられる。
その停戦を「小休止」として、再度の攻勢に出る可能性も否定できない。
接点となり得る北極圏
当初、…
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