大阪の教育と文化の振興を目指す「第12回府民夏季セミナー~子どもたちの未来に夢と希望を!」(府教職員互助組合、毎日新聞社主催、府教委後援)が9日、大阪市天王寺区の府教育会館で開かれた。元陸上選手の為末大さん(47)が「熟達論 人はいつまでも学び、成長できる」をテーマに講演し、約200人が耳を傾けた。
為末さんは、男子400メートルハードルの日本記録保持者。引退後はスポーツ事業にも活躍の場を広げ、著作にファンも多い。為末さんは五輪初出場のシドニー大会で極限の緊張から転倒した経験を紹介。「コーチから質問を重ねられ、なぜ失敗したのかを考えた。失敗は学びだと気づかされた」と振り返った。子どもの成長についても「主体性が大事だが、何が向いているのか、自分で気づくのは難しい。外からそっと背中を押すなど、子どもの目が変わる瞬間を引き出すのが大事では」とアドバイスしていた。
第2部のシンポジウムでは府内の小中高校の教員3人がパネリストとして、部活動を指導する上での課題や悩みなどを話し合った。為末さんも「社会に出ると、誰かの力を伸ばしたり、勇気づけたりすることは価値がある。スポーツや課外活動を通じて皆で何かをやるのは大事なことだ」などと応じていた。【石川隆宣】
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