<1分で解説>酷暑なのに「熱中症特別警戒アラート」 なぜ出ない?

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41度を表示する伊勢崎駅前の温度計=群馬県伊勢崎市で2025年8月5日午後3時24分、渡部直樹撮影 拡大
41度を表示する伊勢崎駅前の温度計=群馬県伊勢崎市で2025年8月5日午後3時24分、渡部直樹撮影

 群馬県伊勢崎市で5日に41・8度を記録し、国内の観測史上最高気温が更新されました。全国各地で40度を超える暑さが続いていますが、環境省が2024年4月から運用を始めた「熱中症特別警戒アラート」は、まだ一度も発表されていません。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「熱中症特別警戒アラート」を解説します。

Q 熱中症特別警戒アラートってどんなものなの?

A 環境省が24年4月から運用を始めた、前例のない危険な暑さが広い範囲で予想されるときに前日の午後2時ごろまでに発表されます

Q 普通の熱中症警戒アラートとどう違うの?

A 普通の熱中症警戒アラートは、都道府県内のどこかの観測点で翌日の暑さ指数(気温や湿度、日差しの強さなどから算出される指標)が「33以上」になると予想されたときに出されますが、特別警戒アラートは、都道府県内の全ての観測点で「35以上」になるときに出されます。

Q 今年は暑い日が続いているのに、特別警戒アラートはどうして出ないのかな。

A 都道府県内の全ての観測点で暑さ指数が「35以上」になる必要があるからです。標高の高い場所は気温が低くなりやすく、条件を満たしにくいのです。

Q 専門家はどう見ているの?

A 環境省の熱中症対策に関する検討会で委員を務める中京大の松本孝朗教授(環境生理学)は「標高の高い地点があると、その県には特別警戒アラートがおそらく永久に出ない」と検討会で発言し、他の委員と共に標高の高い観測点を対象から外すように提案しました。

Q 今後どうなるのかな。

A 浅尾慶一郎環境相は「効果的な呼びかけの手法などについて引き続き検討を進めたい」と話しています。環境省は今年度中に運用について話し合う検討会を開くようです。

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