日本維新の会は7日、特別党員による電子投票の結果、党代表選を実施しないことを決め、吉村洋文代表(大阪府知事)を再任した。辞任を表明した前原誠司共同代表の後任が決まった後、新執行部の人選を進める。吉村氏にとって、挙党態勢の構築が急務となる。
党規約によると、大型選挙後に代表選を実施するかどうか決める。5~7日、党所属の議員や首長ら特別党員842人を対象に電子投票を実施した。投票率は73・27%で、実施に反対(吉村氏の再任)が521票で過半数となった。賛成は93票、白票は3票だった。
吉村氏はこの電子投票を事実上の信任投票と捉え、代表選の実施が決まれば、自らは立候補しない意向を示していた。
再任が決まり、吉村氏は報道陣に対し「公約の実行が大切だ。挙党態勢で当たりたい。『もう一回、吉村頑張れ』という信任をいただいた」と述べた。連立政権入りについて「石破政権と連立するつもりはありません」と改めて否定した。
維新は参院選で7議席を獲得し、目標に掲げた「改選6議席以上」を達成したが、選挙区で勝利したのは大阪と京都の計3議席にとどまり、比例票も2022年の前回選より4割少ない約437万票と低迷した。党内で執行部の責任を問う声が上がり、前原氏や岩谷良平幹事長らが辞表を提出する事態に発展した。
24年10月の衆院選での議席減を受けて退陣した馬場伸幸前代表(衆院議員)ら旧執行部との確執が指摘されているが、吉村氏に代わる「党の顔」は見当たらず、代表交代論は強まらなかった。
吉村氏は7日、「挙党態勢」「一致団結」という言葉を繰り返し「非常に難しいかじ取りになるが、僕自身がリーダーシップをもって進める」と述べた。【鈴木拓也、岡崎英遠】
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