「世界のFUNAI」今や昔 破綻で混乱も債権者集会に経営陣は欠席

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船井電機の本社ビル=大阪府大東市で2025年4月18日午前10時40分、川地隆史撮影 拡大
船井電機の本社ビル=大阪府大東市で2025年4月18日午前10時40分、川地隆史撮影

 多角化経営の失敗で経営破綻した船井電機(大阪府大東市)。7月2日に開かれた債権者集会では、負債が819億円に上ることが破産管財人から明らかにされた。ただ、船井側の幹部が一人も出席しない異例の集会になり、破産に至る経緯も説明がないままだ。老舗メーカーを巡る混乱は続きそうだ。

 民間調査会社の東京商工リサーチによると、集会には債権者約60人が出席。破産管財人を務める弁護士は財務状況について、4月30日時点で819億6383万円の負債があると説明した。

 破綻の理由については「関連会社への貸し付けなどで多額の資金が流出した。従業員への給料が払えないほど資金繰りが悪化した」と述べるにとどまった。

 旧経営陣への損害賠償請求については「調査中」として、明確な方針は示されなかった。

 この日は登記上の会長となっている原田義昭・元環境相が会場に姿を見せたが、裁判所から参加が認められなかった。東京高裁は1月、原田氏の会長就任に「疑義がある」と判断していた。

 原田氏は取材に「(出席できず)残念だ。裁判所の説明も不明瞭だった」と答え、独自に設置された有識者会議で船井が破綻した経緯を調査する意向を示した。

 船井は2024年10月に取締役の一人が「準自己破産」を申し立てて破産手続きが始まった。

 申立書は、21年3月に船井が出版社に買収を開始されて以降、約300億円の資金が流出して債務超過に陥ったと指摘していた。

 役員の顔ぶれもめまぐるしく入れ替わり、新旧経営陣が互いの経営方針を批判し合うなど泥沼の展開となっている。【川地隆史】

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