放置自転車、全国ワースト1位の大阪市 「夜討ち作戦」で汚名返上へ

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大阪メトロ天満橋駅直結の商業施設前に大量に放置されている自転車。歩道が狭くなっている=大阪市中央区で2025年8月6日午後4時2分、木島諒子撮影 拡大
大阪メトロ天満橋駅直結の商業施設前に大量に放置されている自転車。歩道が狭くなっている=大阪市中央区で2025年8月6日午後4時2分、木島諒子撮影

 放置自転車の多さに悩まされている大阪市が、夜間帯に自転車を撤去する「夜討ち」に力を入れている。

 大阪市内では2023年に2848台の自転車が放置されているのが確認され、全国の市区町村でワーストワンを記録した。

 市などによると、深夜営業の店が多い繁華街で夕方以降、多くの人が自転車で集まり、そのまま置き去りにすることが多い。

 通行人や近くの住民からは「歩道に大量の自転車が置かれ、車道を歩かないといけない」などの苦情が複数寄せられていた。店舗関係者からも「関係ない自転車が店の前にある。営業妨害なので撤去してほしい」との要望があるという。

夜間撤去により数を減らした御堂筋沿いの放置自転車=大阪市中央区で2025年7月28日午後8時55分、松原隼斗撮影 拡大
夜間撤去により数を減らした御堂筋沿いの放置自転車=大阪市中央区で2025年7月28日午後8時55分、松原隼斗撮影

 市は大阪・関西万博でこれまで以上の観光客らが市内を訪れると見込み、放置自転車対策の強化を決定。夜のうちに自転車を移動させてしまう「夜討ち」撤去で、置き去りを阻止することにした。

 万博開幕に合わせて4月から始め、6月末までにミナミやキタといった代表的な繁華街で8500台超を撤去したという。

 大阪市の放置自転車は1990年代にも全国最多となり、一時は5万台を超えた。たこ焼きやお好み焼きに並ぶ「大阪名物」と皮肉られたこともある。

 取り締まっては新たな放置が見つかる繰り返し――。市は世界の注目が集まる万博をきっかけに環境浄化を進めようと、夜討ち撤去のほかにもさまざまな対策を取ってきた。担当者は「この『イタチごっこ』に、今回で決着をつけたい」。その言葉に、並々ならぬ意気込みがうかがえる。【松原隼斗】

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