阪神―ヤクルト(8日・京セラドーム大阪)
前後の打者が代わっても、4番は代わらない。淡々と進んだ試合が1時間ほどたったころ、打球が美しい放物線を描き、歓声に包まれた。佐藤輝明が、今季30号の先制ソロ本塁打を放った。
四回、先頭の2番・中野拓夢が左前打で出塁したが、続く中川勇斗が併殺に倒れた。あっさり2死となるも、見せ場はここからだった。佐藤が、3ボール1ストライクからの5球目の落ちの鈍いフォークを右翼席へ運んだ。この打席初めてのスイングで鮮やかに仕留めた。佐藤は「先制点を取れたのは大きい」と語った。
この試合は、長らく3番が定位置だった森下翔太が今季初めて先発を外れた。最近、打率が下降気味だった。代わりに入ったのは7日の中日戦で5番に座り一時は同点となるソロ本塁打を放った中川だ。さらに7日に5番を外れた大山悠輔が5番に戻る形となった。
その中で4番・佐藤は不動だ。7日時点で本塁打と打点でリーグ1位で、打率も2割8分で5位につけ、3冠王を狙える成績を残している。頼もしい4番になりつつある。【荻野公一】
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