パレスチナ自治区ガザ地区北部ガザ市で10日夜、イスラエル軍の攻撃があり、中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」の記者ら5人が死亡した。ロイター通信などが報じた。殺害されたうちの1人、アナス・シャリフ氏(28)は連日、ガザから中継を行い、飢餓の現状などを伝えてきた著名な記者だった。
報道によると、シャリフ氏らは、ガザ市のシファ病院の前のテントにいたところ、空爆された。イスラエル軍は「シャリフ氏はイスラム組織ハマスと関わりがあった」と主張しているが、米国の非営利組織「ジャーナリスト保護委員会」(CPJ)や国連は「イスラエル軍の主張には根拠がない」と反論している。
攻撃を受けて、アルジャジーラは「ガザで最も勇敢な記者の殺害は、ガザの掌握と占領を世の中に伝える声を封じ込めようとする必死の試みだ」とイスラエルを非難。国際社会に対して、イスラエルによる意図的な記者の攻撃をやめさせるように訴えた。
国連のグテレス事務総長は11日、アルジャジーラの記者らが命を落としたイスラエル軍の空爆を非難し、独立した公正な調査を求める声明を報道官を通じて発表した。国連によれば、2023年10月のイスラエルとハマスの戦闘開始以来、ガザで殺害されたジャーナリストは少なくとも242人に上る。【エルサレム松岡大地、ニューヨーク八田浩輔】
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