プラスチック汚染根絶に向けた条約を話し合う政府間交渉委員会が終盤を迎えた12日、会場となっているスイス・ジュネーブの国連欧州本部前で、世界の環境保護団体が合同でサイレントデモをした。この日から会合に加わる各国の閣僚級の代表らに向け、「勇気を持って行動を」などと書かれた紙を掲げ、実効性のある条約案の合意を訴えた。
デモには100以上の環境保護団体などが参加・支持した。プラスチックの生産量や消費量の削減を含む、ライフサイクル全体を通じた強い規制を条約に盛り込むよう求めている。
交渉委は5日の開幕後、非公式の議論が続いているが、会期末の14日まで残りわずかになっても合意に向けた具体的な進展は見えてこない。集まった約40人のデモ参加者たちは、次々に会場入りする交渉関係者らに無言の圧力をかけた。
ジュネーブの環境NGO「ガリフレイ・ファンデーション」のマネジャー、ロリアンヌ・トリムラさんは「これ以上合意のない状態は許容できない。高い野心を保ち、何かしら行動に移してほしい。(生産規制に反対する)産油国側に従って野心を下げた先にあるのは単なる偽善だ」と訴えた。【ジュネーブ高橋由衣】
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