高校野球・夏の甲子園2回戦(12日)
○尽誠学園(香川)3―0東大阪大柏原●
「全国で勝てるチームにしたい」。尽誠学園のエース・広瀬賢汰は、初の甲子園で6安打完封。五回にはバットで貴重な追加点を挙げるなど、投打に躍動した。エースで4番、主将として臨み、1年前の夏の誓いを果たした。
カーブやスライダーなど低めに制球された変化球をテンポ良く投げ込み、次々と打者を打ち取る。八回には初めて三塁に進まれたが、冷静に相手の代打を一ゴロに仕留めた。
4番打者としては、五回に1点を先制後、なおも2死満塁で左打席に立ち、4球目の直球にやや詰まらされながらも左前に運んだ。2人が生還し、西村太監督は「気持ちで押し込んでくれた。あの2点は大きかった」とたたえた。
昨夏は香川大会の初戦で先発して好投したが、自身の降板後に勝ち越されて惜敗。「勝てるチームにするために、何でもやる」と自ら希望し、人生初の主将に就任した。
秋からはエースナンバーを背負い、「自分の結果がチームの結果に直結する」と冬場のトレーニングに励んだ。全体練習ではチームのことを見るよう心がけ、朝や夜の時間の使い方を工夫しながら、投球練習と打撃練習に励んできた。
役割は多いが、日ごろはそれをプレッシャーに自分を奮い立たせて練習に励み、試合ではプラスに捉えてプレーできているという。西村監督は「冷静で真面目。時には厳しく声を掛けることもできて、大人だと思います」と絶大な信頼を置く。
昨夏誓った「全国の舞台で勝つ」ことはかなえた。チームの目標は「日本一」だ。頼れる大黒柱は表情を緩めることなく、「まだまだ次に向けてやりたい」と次戦を見据えた。【円谷美晶】
Comments