3連休の福岡県内を直撃した記録的大雨では被害も心配されたが、渇水の危険があった筑後川流域農家の関心はダム貯水量の回復。しかしダムを管理する水資源機構筑後川局ホームページの「水源情報」は12日昼過ぎまで8日の渇水時のまま。同局施設管理課は「専門部署と相談して改善を検討したい」と話した。
早い梅雨明けと小雨で朝倉市3ダムの貯水率が下がったとして7月31日、朝倉市と筑後川局などは渇水対策本部を設置した。背景には水田への水が重要で、米の収量に直結する出穂期が目前に迫っていることがある。
しかし今回の大雨でダム周辺の降り始めからの雨量は軒並み300ミリ超え。貯水率は12日午前0時(カッコ内は8日午前0時)で江川83・6%(75・0%)、寺内94・2%(34・5%)、小石原川71・7%(63・0%)、3ダム計78・7%(63・8%)と大きく回復。朝倉市は渇水対策本部を12日解散した。
ダムのデータは水資源機構が計測して発信し、国土交通省「川の防災情報」HP等で貯水量も10分ごと公表している。しかし筑後川局によると局の「水源情報」HPは、職員がデータを表計算ソフトで計算。過去4年間の貯水率との比較水位グラフなどを作っているため、開庁日のみ更新。自動化の遅れや見せるための作業が、迅速に情報発信できないことにつながっている。【前田博之】
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