「飲酒に厳しい」インドで成長するアルコール業界＝松本紫帆

　ニューデリーで過ごす暑い季節、仕事終わりには冷たいビールが飲みたくなる。ただ、ここでは食料品店やスーパーの陳列棚にビールやワインといった酒類コーナーはない。周辺で買い求めるとなると、公営のリカーショップ（酒屋）が唯一の選択肢となる。

　自宅近くの酒屋は、にぎやかな通り沿いにひっそりとたたずむ。ほとんどが男性客で、夕方以降は列になっていることもある。

　店はカウンター越しに銘柄を確認して店員に伝えるスタイルだ。インド産のビールは1本（330ミリリットル）120ルピー（約200円）前後。店員によると、いつも決まった銘柄があるわけではなく、ブランドの種類が限られる日もある。

　地元メディアによると、ニューデリーを含むデリーでは現在、酒屋が762店舗あり、このうち実際に営業しているのは約600店舗。人口10万人あたりの店舗数は2・7で、全国平均の半分ほどだという。

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