特攻隊員が笑み浮かべるAI動画 元隊員が見たら…「いや、鬼の顔に」

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特攻隊のAI動画を視聴する浅野昭典さん=横浜市で2025年7月31日午後3時45分、加藤昌平撮影
特攻隊のAI動画を視聴する浅野昭典さん=横浜市で2025年7月31日午後3時45分、加藤昌平撮影

 モノクロ写真に写る飛行服姿の青年たちにみるみる色が付き、動き出す。そして、互いに顔を合わせて満面の笑みを浮かべたり談笑したりする。

 第二次世界大戦の特別攻撃(特攻)隊員の写真を人工知能(AI)技術で加工して色や動きを付けた動画がユーチューブなどの動画サイトに投稿されている。

 コメント欄には「涙が止まらない」「今の日本を残してくれて、ありがとう」といった声があふれる。

 動画を作った人たちはどのような意図で投稿しているのか。また、元特攻隊員たちは動画を見て何を思うのだろうか。

この記事の最後に動画「特攻隊写真をAI動画化 元隊員の感想は…」があります 
※同時公開の記事は2本あります
9割が「記憶の継承困難」 AI活用5施設のみ 全国70の戦争博物館
AIによる証言は心に響くのか 戦争体験者ゼロ時代に向けた模索

試しに製作、思わぬ反響

 「戦争関係の動画は反響が大きく、投稿すると安定して10万回近くは再生される」。ユーチューブチャンネル「知るべき話題」を運営する30代男性は、趣味の延長線上で2024年春ごろから、歴史上の人物の写真や肖像画をAIで動かした動画を投稿するようになった。

 やがて他のチャンネルで特攻隊のAI動画を見かけ、試しに製作して投稿したところ、思わぬ反響があった。

 「自分の祖父や父が特攻隊員だったと身内に結びつけて反応するコメントや、感動したというコメントが多かった」と男性。中には「今の政治家はまた戦争を始めようとしている」などと動画を通して政治批判をするコメントもあったという。

 「歴史や戦争に関心を失った若い世代に、流行のAIを窓口にして戦争のことを考えてほしいという意図もあった」と男性は説明する。

 ユーチューブチャンネル「写真ラボ映像工房」を開設した下川龍一さん(33)は「戦争の記憶を伝える上でAIは効果があると思う」と話す。

 下川さんは、チャンネル運営とともに依頼者から代金を受け取って写真からAI動画を作る事業も行っている。

 戦時中の家族写真が多く、「特攻隊員だった祖父の写真を加工してほしい」という依頼もあったという。

 「写真を映像として見ることによって、より当時の雰囲気を鮮明に思い浮かべられる。ただ、行き過ぎた加工は危険で、事実と大きく離れないように製作者は歴史を学ばなければならない」。下川さんはそう言った。

飛行機が動き出すと顔が変わる

 動画にどのような感想を持つのか。元特攻隊員の2人のもとを訪ねた。

 「同期と…

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