
28日に開幕する第96回都市対抗野球大会。全国12地区の厳しい予選を突破してきた代表チームの主役候補を紹介します。9回目は九州第1代表で2年ぶり8回目出場、福岡市・西部ガスの3年目、松山翔太捕手(25)。九州2次予選で打率7割を誇った「強打の捕手」に注目しました。
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「大事な試合任せられるレベルでは…」
打席では豪快なスイングを見せ、話せばきっぷのいい人柄に引き込まれる。
重圧がかかった九州2次予選。前回の代表チームであるKMGホールディングスとの第1代表決定戦で、勝負強さを見せつけた。
両チーム無得点が続くなかで、均衡を破ったのは四回だった。相手投手が得意とする初球のカットボールを完璧に捉え、左翼席に運ぶ先制ソロを放った。
「気持ち良く投げさせないためにあえて得意球を狙った」と、相手投手に精神的ショックを与える冷静な一振りだった。
同点の九回には先頭で打席に入り、勝ち越し点の足がかりとなる左前打を放った。この1点が決勝点となりチームは8年ぶりの第1代表を獲得した。2次予選は3試合で2本塁打、打率7割の大当たりで、「神懸かっている」と自賛した。
勢いに乗れたのには理由がある。
入社して1、2年は「試合に出たい、打ちたい、レギュラーを取りたい」という気持ちばかりが先走り「空回りしていた」と振り返る。
持ち味の打撃でいい当たりを見せても、肝心の捕手としてリード面が安定せず、「大事な試合を任せてもらえるレベルではなかった。そこから打撃の調子も落としてしまう悪循環の中にいました」という。
今季はシーズン前、松薗史敏監督から厳しい指摘を受けた。
「(入社1…
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