空自T4墜落事故 機体主要部の引き揚げ作業を開始 愛知・犬山

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墜落した自衛隊機の引き揚げ作業にあたるクレーンを乗せた船=愛知県犬山市で2025年8月15日午前9時37分、山崎一輝撮影
墜落した自衛隊機の引き揚げ作業にあたるクレーンを乗せた船=愛知県犬山市で2025年8月15日午前9時37分、山崎一輝撮影

 航空自衛隊のT4練習機1機が愛知県犬山市の農業用ため池、入鹿(いるか)池に墜落し、搭乗員2人が死亡した事故で、空自は15日、池に沈んだエンジンなどの機体主要部の回収作業に着手した。組み立て式の台船にクレーンを載せて池に浮かべるなどし、引き揚げを進めている。

 事故機にはフライトデータレコーダー(飛行記録装置)が搭載されていなかった。このため、事故原因の究明は大破したとみられる機体をできる限り回収、分析することがカギになる。

 空自によると、6月半ばに海洋土木大手の「五洋建設」(東京都)と約1億2400万円の随意契約を交わし、引き揚げ方法などを協議。7月からダイバーによる水中の捜索と破片の回収を始めた。一方、サルベージ船を池に運び込むのは難しいことから、人力での引き揚げが困難な大型の構成品についてはクレーンで回収することにし、事故現場で台船を組み立てるなど準備を進めていた。一連の作業は9月末までの完了を目指すという。

 この日の作業は午前7時半ごろからスタート。墜落現場周辺にオイルフェンスが張られ、その内側に台船に載せたクレーン1基が配置された。その後、クレーンがゆっくりと動き出し、水中から機体の一部とみられるものを引き揚げていた。

 事故は5月14日に発生した。午後3時6分ごろ、新田原(にゅうたばる)基地(宮崎県)所属のT4が愛知県営名古屋空港を離陸。東から南に右旋回しながら高度5000メートルまで上昇するはずが急降下し、同8分ごろ、入鹿池付近でレーダーから消えた。搭乗員の死亡推定時刻は同8分ごろとされる。【松浦吉剛、塚本紘平】

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